JUCEでのVSTプラグイン制作メモ(Window版)
- 2017.09.01
- 3.音楽アプリ開発

おとわび神楽鈴VST版を作成しました。
作成にあたっては、音楽制作「JUCE」ライブラリを使用、公式サンプルのAUv3Synthを参考にさせていただきました。
開発に取り組む上でひっかかったポイント(Windows版)をメモしておきます。(macでひっかかったところは以前の記事に記載しました。)
VST作ってみようかなーなんて思われた方の参考になれば幸いです。
その1:Visual Studioを持っていない
JUCEを使用した開発では、専用ツールのprojucer.exeと(windowsであればVisual Studio、macであればXcode)を併用して開発を行うようになっています。
Windows用の開発ツールVisual Studio持ってないけど作れるのかな?と思いましたが、無料で利用可能なVisual Studio 2017 Communityエディションで大丈夫でした。
Visual Studioインストール手順のページからダウンロード・インストールできました。
使用したWindowsタブレットが空き容量15GBしかありませんでしたが、必要なツールのみに絞ったら10GBくらいでしたのでどうにか乗り切りました。
タブレットのメモリも2GBしかありませんでしたが、ちゃんと動きました。(ただしとんでもなく鈍足です)
その2:32bitマシンではJUCE(projucer.exe)が起動しない
JUCE公式サイトからダウンロードできるprojucer.exeは64bit版のため、32bit版OSでは起動することができません。
がしかし、JUCEにはソースコードが付属しているため、Visual Studioをインストールしたマシンであればソースコードからコンパイルしてprojuce.exeの32bit版を作成することが可能です。(ソースコードはJUCE/extras/Projucer/Builds内にあります。)
かくして無事にprojuce.exeの32bit版を作成、起動することができるようになりました。
・参考:Is juce available for 32 bit architecture
その3:「C1060 ヒープの領域を使い果たしました」エラー
macでうまくいったソースコードをそのままWindowのほうに持って行ったのですが、Visual Studioでコンパイルすると「C1060 ヒープの領域を使い果たしました」という残念なエラーが発生してしまいました。
wavファイルをリソースファイルとして埋め込んだのですが、このファイルサイズがある程度以上だと上記のエラーが発生してしまうそうです。(今回エラーを吐いたファイルは10MB以上あるものだけでした。)
おとわび神楽鈴Kontakt版では96kHzで録音したファイルを使用していましたが、そのうちの「ロング」音源は上記制限に引っかかったため、ロングについては仕方なく音質を下げたファイルを使用するようにしました。
macでは大丈夫だったのに…
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